藤佳 まずさ、写真家になろうとしたきっかけ、とかから聞きたいな。
ののこ 18歳の時から写真を始めたんだけど。きっかけは、夏に渋谷にあったadidasで短期間バイトして、そのバイト料で、たまたまカメラ買ったの。そのカメラに偶然出会った、というかたちで写真人生がスタートしましたCanon AE-1
藤佳 たまたまカメラ、買うか?
ののこ 古道具屋のショーケースから呼んどった。
藤佳 なるほど~。幸子のお花と同じだね。写真自体は元々好きだったの?
ののこ それまでも、好奇心旺盛でいろんなことに手を出したけど、例えばDJとか(笑)。続いたのは写真だけだった。
藤佳 うんうん、10代の時は色々試すよね。写真の何が面白かった?
ののこ ね。自分の生きてる意味をわかりたいんだよね。うん、まずその緊張と集中と興奮と、あがりを見たときの喜びとか落胆とか、、すべてかな。それから、カメラ、写真を通して、私とその人が一対一でつながれることかな。だから興奮するし、集中するし、緊張するんだと思う。
藤佳 おおっ!じゃあポートレイトから入ったんだ?
ののこ うん、ポートレイト。
藤佳 カメラを通すとさ、普段の視点では相手に見えない何かが見えたりする?
ののこ カメラを通した時点で変わるかも。
藤佳 へーー、何が?もし具体的に説明出来れば…。
ののこ ううむ。撮る相手にもよるかもしれないけど、例えばあーたんと普段いるときは、友だちとして「ああ綺麗だな、今日は顔色いいわね、お、いい笑顔、写真撮りたいワ!」とかそんな感じで、でもいざカメラを構えたら、「おう!お前のいいところ全部撮ってやるぜよ!」って。「こうでしょ!ここが素敵なところでしょ!!ほら!!」って。
亜友美 でた!あははは。
ののこ 自分の価値観の目線になるかな~~。
藤佳 なるほどね。shootという言葉の意味があるね、そこに。獲物を狙うようにズバッと切り撮る。
亜友美 本当にののこはいいとこを切り抜いてくれるんです!
ののこ でも、舞子のときはちょっと違うかも。。
藤佳 何が違う?
ののこ そのときによるんだけど、舞子はその時その時、こう生きたい、今こういう自分を見ている、というのを感じるのね。
藤佳 うん。
ののこ それをそのまま撮る、傍観者的な撮り方も楽しいの。
藤佳 ほーー!面白いね。
ののこ 娘との空気とか。そういうのを感じて、撮った上で、見えて来るものもある。ああ、今の舞子をこう撮ったらいいんだわ。とかね。
藤佳 空気読めないどころか空気になれないとダメなのね。
ののこ ほんと。同じ空気を吸えたら、きっといい写真になる。
藤佳 今、撮りたいものってある?
ののこ 2007年の終わりに、ダンスを撮るというのが私の作品に加わったの。

dan04-21

藤佳 ダンス!難しそうだけど面白そうね。それで森山開次さんとか観に行ったりしてるの?
ののこ そうだね。知り合ったダンサーから教えて貰ったの。
藤佳 ダンス、いいよね。康本雅子さんとかも、すごい。森山さん、素晴らしい表現力よね。
亜友美 森山さんってどんな人?
舞子 森山さん、3CHの「からだであそぼ」に出てるね!
藤佳 そうそう、私はその番組観た事無いんだけど…。
亜友美 サイト観た。ワイルド!
藤佳 あら、あーたんの好みかしらん?
亜友美 私意外とフェミ男が好きなのー。どんなダンスするの?
ののこ 一人の人が今を生きてるそのエネルギーは、100年前も100年後も変わらず美しいんじゃないかって。
亜友美 ステキね。美しい!
藤佳 そのエネルギーの美しさを切り取りたいと?
ののこ 感情や思考や、存在を体で表現する。ダンスってすごく写真的だと気づいたんです。
藤佳 なるほどね~~、なるほどすぎだよ。
ののこ 今この時代に、確かにひとりの私たちが、存在しましたって。小さいことも、大きいこともたくさん降り掛かるけど、いちいち心震わせて生きてます、って。だから、被写体はプロのダンサーでなくてもいいんだ。それとね、幸子の花を撮り続けてたら、ダンスの写真でも、花の写真でも、表現したいことは同じだなと気づいた。花は枯れて散ると知っていても 枯れて散ると知っているからこそ、たった今を存分に生きる、って。
亜友美 存分に生きてるからこそ、美しさを強く感じる気がするね。
ののこ そうなんだよね、ぱあっとあまりに華やかに咲く花を見て思った。
亜友美 人も一生懸命に生きてる人は、美しい気がする。
藤佳 うん、それはこの間話した花の話と共通してるね。ののこのコンテンツ、「日々是スケッチ」もそういった思いで撮ってるの?
ののこ 日々是スケッチはね、そうした「動」として、外に働きかけるだけじゃなく、もっと静かに何でもないような「静」を心の中に探したかった。内観的写真。
藤佳 日々だからこそね。あの詩的な文体はどこから降ってくるの?
ののこ 自分の心をしんとさせて、落ち着かせて、整理したいと。ほんとに日々起こるいろんなことからね、目を閉じて、その意味っていうのかな、心の中を探す。
藤佳 カメラマンで文章が上手い人が多いのは、そうやって外に対しても内に対しても心眼を持っているからなのかな~。。
ののこ ほんと、恥ずかしいです。舞子とかも、ヨガを通して自分の内側を見るでしょ。人は考えるために生きてると思う。
藤佳 「人は考えるため」、哲学的!ゴダールの映画「女と男のいる舗道」でもそんなやり取りをするシーンがあったなぁ。
ののこ へ~~。いい女優だったよね。
藤佳 うん、アンナ・カリーナが哲学者と「話すこと、考えること、愛」について話すシーンが印象的だった。って話がズレてきたな。
ののこ そっか、また見てみよう!今夜はこれくらいにしとく?
藤佳 そうだね!
舞子 いやあ、ののチャンのお話、ほんっとに楽しかったよ。ありがとう。また新たに考える種を植えてくれた感じがする!伝えたいこと、大事に思ってることが、私達は大体一緒。でも違う目線で語るから、会話で旅行した気になる…。
藤佳 会話で旅行!心の旅~♪
亜友美 心の旅。
ののこ 会話で旅行か。ほんとにみんなとの繋がりは、写真がくれた財産です。みんなから、とってもいろんなことを気づかされるし教えて貰ってるよ。